支部長あいさつ

 私は一碗、一服のお抹茶が持つ可能性を信じています。

 室町時代後期に生まれた茶の湯が茶道として今日に至るまで、我が日本国の文化として定着したのは、歴代御家元のご努力はもとより社中、支部、地域、関連企業様にいたるまで皆が相互に尊敬しあえる関係を築き、共に歩む事が出来たからこそだと思いますし、私自身一人の人として、茶道が持つ歴史や精神に強い尊敬を抱いています。

 元来、薬として渡ってきた団茶からの茶道は、日本人が文化として受け継いで参りましたが、伝統という切り口も重要なことですが、何より身体的な健康要素や心に落ち着きをもたらし、明日の活力を与えるものだと思います。

 人種、宗教、ジェンダー平等という概念が世界を駆け巡り、またインターネットで膨大な情報が瞬時に、そして簡単に自らの右手に収まったスマホ一つで手に入る令和という新しい時代を迎えた私達は、茶道の形式、様式が歴代宗匠によって少しずつ柔軟、かつ時として大胆に変化してきたように、文化的多様性を受け入れ、相互により良い変化を与え合う人の繋がりを大事にしながら、常に人をもてなす精神というものが 個々のよろこびとして幅のある気持ちのありように焦点を合わせて考察すべき時代なのかもしれません。

 茶道はサロン文化であり、衣食住、自然まで取り込んだ日本文化の集大成です。

 変わらぬ根底にある大切なものと、時代に寄り添った変化を求められるものをしっかりと見つめながら、そのような精神をお互い心がけながら 茶道を嗜みながら過ごしたいと思っています。

 環境を守りながら人類が地球とどう共存するかというテーマが大切になるこれからの時代、茶道が教えてくれる持続可能な社会作りは多岐に渡ります。

 お道具を大切に取り扱うことや、お茶碗が割れても金継ぎ等で再生させる伝統技術、身の丈に合ったっ自分なりの「見立て」道具を設えてみるといった事をはじめ、お手軽な食事スタイルが増えつつある昨今、旬の食材を求め、家族や客人のために心を込めて作られます一汁三菜のお料理は、シンプルで栄養価値もあり、季節感も自然に五感で受けとめているものだと思います。

 自身の生活を見直し、相手や物に対して思いやりの気持ちを持つことは環境問題を解決する為に、まずは始められる最初の一歩であるとともに、最も大切な事ではないかと思います。

 そして茶道には、心が豊かになるための持続的な暮らしの為の合理的なヒントが隠されているように感じます。

 折しも北九州市は「SDGs未来都市」としてビジョンを掲げ、SDGsを推進する先進都市として全国でクローズアップされております。

今期3年間、 新体制で参りますので よろしくお願いいたします。

     一般社団法人 茶道裏千家淡交会 

                            北九州支部 支部長 大迫 益男

 この度、ご推薦の元、北九州支部幹事長に就任させて頂きました。

 まずは故渡部 宗俊 前幹事長のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 新型コロナウィルスが第五類に引き下げられ、これまで通りのお茶会も叶うようになりました大切な一年という中での大役となります。

 現代は「VUCA(ブーカ)の時代」ともいわれており、VUCAとはVolatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、簡単に言うと社会や将来の予測が困難な状況を意味します。

 この2020年1月に端を発した新型コロナウィルス感染症も、ある意味で予測不可能なものでした。他方で、そのような社会情勢下にあっても、支部会員皆様の柔軟なご対応とご協力は目を見張るものがあり、おかげ様をもちまして大小様々な行事が完遂出来ましたことは北九州支部としての誇りであると思っております。

 淡交会北九州支部の80猶予年の歴史を紡いで来られた先人方の想いと共に、故渡部宗俊幹事長のご意向を受け継ぎ、後任として会員皆様方のために精進させて頂きます。

改めまして会員皆様のご協力をお願い申し上げ、後任挨拶とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

     一般社団法人 茶道裏千家淡交会 

                            北九州支部 幹事長 岡田 宗恵

 会員皆様には、大変長らくお引きたてをいただきましたお陰様で、無事に幹事長の大役を収めさせていただきました。続いて九州地区の役員を仰せつかりましたので 微力ながら精進して参ります。

 新型コロナウィルス感染拡大という実にスペイン風邪以来の未曽有のパンデミックの中、何とか支部運営を行いながら、北九州支部創立80周年記念大会をはじめとする諸々の行事を開催出来ました事は、会員皆様方の、そして役員皆様方の心強いご協力無しには実現しえなかったと強く感じております。

 改めまして衷心より感謝申し上げます。

 100年前、スペイン風邪によって世界が混乱した折に、(昨年度もお家元より動画配信を頂いておりました)『各服点(かくふくだて)』が考案されました。

 先人の方々が道を切り開いて下さったように、本質は継承されながらも、私ども北九州支部においても、新しい生活様式における茶道の楽しみ方を模索し、工夫し茶道を楽しむことができればと存じます。

 北九州支部の伝統である親支部、青年部、学校茶道の連携を踏まえたうえで、青年部育成委員会と青年部の強固なつながりは 今後も支部の運営に明るい兆しをもたらしてくださることでしょう。

 また本年度より、副幹事長として北九州支部に御恩返しして参りたいと思います。

 引き続きまして、よろしくお願い申し上げます。

    一般社団法人 茶道裏千家淡交会 

       参事補

        北九州支部 副幹事長 増井 宗榮

 この度、故 渡部 宗俊委員長より引き継ぎました平井宗房と申します。

 よろしくお願い申し上げます。

 常々北九州支部、青年部、学校茶道連絡協議会の三位一体を支部の伝統として掲げ遂行して参りました意を重く受け止めております。 

 日本古来より伝わる伝統や文化が否定されることなく、また茶道の文化的価値を認識していただく活動に努められた11代玄々斎から続く歴代御家元方々のご尽力に敬意を表しますと共に、支部内各担当校の茶道講師の先生方へも、併せて多大なるご尽力に感謝申し上げます。

 いじめや登校拒否など胸の痛むニュースの中、生きやすい術を茶道の精神性の教えに共感すべきところが多々ございますことを確信しております。

 文化庁の、日本の文化芸術を世界に、そして次の世代へと伝えていくために、「文化を守り文化で未来をつくる」という、世界とつながるスローガンに賛同し、文化庁主催の伝統文化親子教室事業では 茶道を通して日本文化の良さをお伝えし、成長過程で思い出深い経験を教示できますよう研鑽を積んでおります。

 会長の大迫 益男支部長はじめ、支部傘下の北九州学校茶道連絡協議会は、茶道の意義を確認しながら茶のこころを育んでいけますよう、お子様方の為に活動を柔軟に進めてゆくことにより、微力ながら和の心をお伝えし、気づきの機会となりますよう願っております。


 北九州支部会員の皆様方の変わらぬお力添えを引き続きまして、お願い申し上げます。


   北九州学校茶道連絡協議会

      委員長 平井 宗房 


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